立ち上がるとき、つま先が浮いていませんか?
目次
一見、何も問題なさそうな患者様ですが…
年齢の割にバランス能力が低下
回復期リハビリテーション病院には、脳卒中や骨折など、重症患者様が多く入院しておられますが、中には、歩行が自立している方もおられます。
今日取り上げる脳卒中の患者様は、日常生活に支障はない状態で、高次脳機能障害に対するリハビリを主にしておられるため、理学療法士としては、筋力や体力の維持といった、比較的ライトな関わりをしています。
歩行が自立しているからと言って、全く問題点がないとは限りません。
歩行速度は問題ありませんが、本人様としては、足を前に振り出す時に、踵が床に擦れる音がするのが気になるとのこと。
念のため、初回介入時に評価してみたところ、年齢の割にバランス能力が低下していることが分かりました。
幸い、今回の脳卒中では足に麻痺や感覚障害はなく、筋力が若干低下している程度。
むしろ反対側の脚の方が、若い頃に膝を傷めた影響か、筋力や片足立ちできる時間が短かったのです。
そして、いちばん気になったのが、椅子から立ち上がる動作。
手を椅子や太ももの上につかずに立ち上がっていただいたとき、一瞬、自分の目を疑いました。
つま先が完全に床から浮いていて、踵にしか体重がかかっていなかったからです。
重心が踵側に寄っていて指先が少し空いてる方は多いのですが、この患者様は、指の付け根までが完全に浮いていた。
それでも立ち上がれるのは、比較的お若い(60代後半の)方で、筋力や体幹を立て直す力が残っているから。
10年後,20年後に筋力が衰えてきたとき、立ち損ねて後ろにバランスを崩して転倒したり、手すりを引っ張らないと立ち上がれなくなったり…という危険性が高いやり方です。
私が指摘するまで気づかなかったそうなので、早いうちに分かって良かった。
せっかく介入するのだから…と、立ち上がり動作の修正を行っています。
まだ指先が浮くことは多いですが、初回と比べるとずいぶん改善しました。
靴の履き方を変えるだけでも効果あり
靴紐の締め方も(ヒールロック結びほど強固にしていませんが)変えることで、踵が床に擦れることも減りました。
躓かないように気を付けて歩くとき、ほとんどの方が前に出す方の足を高く上げることばかり考えているのですが、上げる側とは反対の足の踵をしっかりと上げ、つま先で地面を後ろに向かってしっかりと蹴ることを意識すると、身体全体が持ち上がるので、前に出す方の足が地面に引っかかりにくくなります。
また、足を過剰に高く上げることで、ただでさえ踵側に寄っている重心がますます後ろに偏ってしまいます。
つま先で地面を蹴れるということは、身体の重心をつま先側にしっかりと乗せられるということ。
靴を足にフィットさせることは、バランス補正にも役立ちます。
靴紐の結び方を変えなくても、締め具合を変えるだけでも効果がありますので、良かったらお試しください(^▽^)/
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